セダム緑化の特徴

低管理

セダムを用いた薄層屋上緑化の土壌層は薄いため保水量が少なく、また屋上は環境から受ける温度条件も厳しいので、一般の植物は成長が抑制され、繁茂することが難しくなっています。雨期に異種植物が生えても夏期や冬季には枯れてしまうので通常は本格的な除草作業をする必要はありません。

但し、建物の周囲の環境、緑化部分廻りの状況、および季節条件によりセダム以外の植物が生育することがあります。粗放型の薄層屋上緑化は、人工的な管理に多くを依存しないで自然との調和状態での安定を基本としていますので、見苦しく無ければ全ての異種植物を除去するのではなく、背丈の低い雑草はセダムと共存させ、背の高い雑草を選択的に除去することをお薦めします。

薄層屋上緑化は土壌が薄く土量が少ないため、肥料分が雨水で流亡しやすい傾向があります。そのため施肥効果が長く続く遅効性(緩効性)の肥料を年に1?2回必ず与えてください。

標準メンテナンス

環境の向上

セダム緑化は環境の向上に効果を発揮し、建築物に加わる熱負荷を軽減するなど次の特長を持っています。

  • 断熱効果で建物への熱負荷を減らします。
  • 微気象を改善します。
  • 音を吸収して、騒音を低減させます。
  • ほこりを吸着して空気を清浄にします。
  • 近接部への照り返しを小さくします。
  • 直射日光から守り防水層の寿命を延ばします。
  • 動植物に新たな生息地を与えます。
  • 財産価値を増加させます。
  • 美的価値を増加させます。

軽量

セダム緑化は軽量なので、既存ビルや金属屋根の緑化も可能です。*1

特別な設計がされた建物を除き、一般的に既存の建物に積載可能な荷重は地震を考慮して、住宅・事務所等は60㎏/㎡(床の構造としては180㎏/㎡)、デパート学校等は130㎏/㎡(床の構造としては300㎏/㎡)と法に定められています。*2 一般的なセダム緑化はこの基準内に収まるよう緑化システムが組まれています。特に荷重に余裕が少ない金属屋根への緑化も可能です。

*1:個別の建物ごとに荷重条件の確認が必要です。  *2:建築基準法施工令・第85条

施工事例集